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Sunday, January 06, 2008

WEBは"小さい"が、Google帝国が生まれた。Cloud Computingはどのようなビジネスを生み出すのか?

昨年中頃から、BusinessWeek, New York Times, Youtube (Google official channel)で、cloud computing, grab-spanning networkというフレーズが目立つ。Cloud Computingと言う言葉は新しい言葉ではないが、Google CEOのEric Schmidtがマーケティング効果を狙ってか、多用しているバズワードだ。(*1)

このブログでも、PCが無くなる話や、ハードウェアの結びつきが強くなる話を時々書いている。

We now have the return of the mainframe, and the mainframe is a set of computers. You never visit them, you never see them. But they're out there. They're in a cloud somewhere. (※2)


1970年代のアメリカで、それまで主流だったメインフレームに代わり、個人用途で使えるパーソナルコンピューターが登場し、現在、先進国では、一人一台以上のデバイスを持つのが当たり前となっている。しかし、2008年、我々はまたメインフレームの世界に戻る事になるだろう。あなたは、実際にそれを見た事も手にした事もなければ、コンピュータのある場所を訪れた事もない。そのメインフレームとは、大型汎用機ではなく、クラウド状のコンピューターネットワークのことだ。


Eric Schmidt talks about the importance of search, the impact of cloud computing, and the future potential of the web, followed by a Q&A with journalists, at Google Press Day in Paris on June 19, 2007.


クラウドコンピューティングを先立ってビジネス化した、米AmazonにGoogle, IBMの二大巨頭も続いている。昨年半ばから米GoogleのCEO Eric Schmidtも各国でCloud Computingの重要性と可能性を説き、また、IBMとパートナーシップを組み(*3)、Googleの基盤となるMapReduceといったGoogleライクな分散コンピューティングを支える技術の教育に力を入れている。この資料は、Google Code for Educators - Distribute Systemsから閲覧可能である。これは、WEBの次の一手がクラウドコンピューティングから始まり、GoogleがWEBを超えて社会のインフラに進展してきた時に向けての人材育成に他ならない。Yahoo, IBMは、Open Sourceの分散コンピューティングシステムであり、Map Reduce実装を持つHadoopの開発にも力をいれている。

AWS(Amazon Web Service)で利用可能なコンピュータークラウドは、Amazonの安定したインフラに魅力があるtq、Googleのコンピュータークラウドの魅力は、それだけではない。Googleが巨額を投資したインフラに加えて、MapReduce, GFS, Crawler, web searchといった技術やソフトウェアが利用可能になる。また、Googleのサーバは、3年毎に新しい物にリプレイスされるので、その恩恵に預かる事が出来る。


"There are only five computers on earth. Google, Yahoo, Microsoft, IBM, and Amazon." by Yahoo Research Chief Prabhakar Raghavan(※1)


「世界には5つのコンピューターしかない」事は、私達にとって不幸な事だろうか?
5社に対して、同様の事業で資金力の無いスタートアップが参加した所で全く歯が立たないだろう。しかし、この全く新しいインフラを使う事は、起業する者に多くの可能性を与え、全く新しいビジネスをたくさん生み出す事になるだろう。

"The Web is tiny. We'll be laughing at how small the Web is." And yet, if this "tiny" Web was big enough to spawn Google and its empire, there's no telling what opportunities could open up in the giant clouds.


WEBは小さいが、Google帝国を生んだ。Cloud Computingは、どのようなビジネスを生み出すだろうか?
ハードディスクレコーダーで録画した映像が、どこにあるかもわからないGoogleのデータセンター上に保存され、あらゆる場所/デバイスから閲覧できる。でも、あなたの手元に物理的に存在している訳ではない。携帯で購入した音楽が自宅のオーディーオコンポから流れ出す。カメラで取った画像が、アップロードされ、Google Earthと結びつき、時系列で保存され検索も自由にできる。人々がデータのある場所、どんなサービスを使っているかを意識せずに、あらゆる物事を直感的に操作できるようにするために、全てのインフラ、多様なサービス、多数のデバイスがつながり、Cloud Computingを形成する。

WEBのアーキテクチャは、昔は単純なC/Sアーキテクチャであったが、サービスはAPIを公開し、サーバとサーバは、複雑に結びつきマッシュアップされるようになった。OpenID, OAuthは、サーバ間の結合度が上がった副産物として生まれた物である。次は、クライアントとクライアントが複雑に結びついてくるだろう。複雑に絡み合ったネットワークをCloud Computingと呼んでもいいのではないだろうか?

アメリカ渡らないとね。

関連記事
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2008年のWEBはハイブリッド型に

脚注 & 参考
  1. Google CEO’s new paradigm: ‘cloud computing and advertising go hand-in-hand’
  2. Google and the Wisdom of Clouds
  3. Google and IBM Announce University Initiative to Address Internet-Scale Computing Challenges
  4. Google's CEO on the Power of Clouds
  5. Google Gets Ready to Rumble With Microsoft
  6. Google Code for Educators - Distribute Systems