- MicrosoftによるaQuantiveの買収価格は$6B(7292.17307億円)
- EbayによるSkypeの買収価格は$2.6B(3159.94166億円)。
- GoogleによるYoutubeの買収価格は$1.65B(2005.34759億円)
Microsoftが買収したaQuantiveは時価総額が$2.8B 2006年度の収入高は$442M 純利益は約$54Mだが2倍のプレミアムがつき$6Bでの全額現金による買収となった。(現金による買収と株式交換による買収のメリット・デメリットや株主や市場への影響についてはバフェットからの手紙が勉強になる。)GoogleのDoubleclickの買収に慌てたYahoo!のRightMediaの買収に後を追った形ではあるが大きな買収額だ。
上記の例はアメリカンドリームだ。
ジャパニーズドリーム?なんだそれは?新興市場に上場することか?
日本がSkypeを作れない事が納得できない。
ここ最近の私の興味はこれに尽きる。Skypeとういのはあくまでメタファだが、グローバル戦略をしっかりと持ち自分達が素晴らしいと狂信するサービスを初期段階からグローバルで展開していくことがなぜできないのか。グローバルな展開を進めるとしても日本でヒットした後どうするかを考え、「(WEBアプリなら)Gettextで国際化してはい終わり。」と考えているところも多いはずだ。
動画関連にしてもP2Pにしても携帯関連にしても技術は日本にはある。
ただ、グローバルでサービスを展開するのが下手だ。iModeも失敗している。
海外の企業による日本のIT系企業の買収話はあまり聞かない。
UIEJで働くMicrosoftのIE TeamでProgram Mannagerを勤めた人とランチのときに話をした。
日本のマーケットは大きいしヒットすればそこそこの収益が出る。日本内でヒットするところをゴールに設定することで目的は達成される。グローバル戦略のプロを雇い初期からグローバル展開するサービスなどほとんどない。グローバル戦略はまるでおまけのような扱いだ。
しかし、先日の判決(PDF)を踏まえるなら、GoogleもYoutubeもSkypeさえ国内からは生まれないかもしれない。
日本人の国民性も大きく影響するようだ。
シリコンバレーのJTPAのような日本人ネットワークにみるように、インド人・中国人・韓国人と比べて日本人は世界でも日本人コミュニティなどに集結することが多いと言う。
だからこそ私は、何人だとか関係無しに実力一本・頭脳一つで戦う中島聡のような人間に惹かれるのかもしれない。
日本の企業は契約社会でもなくアメリカほど資本主義が徹底しているわけではない。組織の協調性や仲間意識などでバ ランスよく成り立っている。企業間でお互いの顔色を伺う。相手が動けば、合わせて動く。外部のテクノロジーを買収して自社に吸収したりチーム丸ごと引き抜くよりも、余計なコストをかけて”自社で同じ技術を作りたが る"ことが日本企業には良く見られると言う話を聞いた。
マーケティングとブランティング
多くのITベンチャーでは海外におけるマーケティング手法も確立していないしノウハウもない。
友達や近い人間だけで立ち上げる家族経営的な日本企業のベンチャーにおいてグローバル戦略のプロフェッショナルはいない。VCのアドバイスを受けることはあっても、自社に足りない部分を補足するため外部のプロフェッショナルを迎えいれるという文化は少ない。
もちろんMicrosoftなどの大企業においてもBtoC事業のマーケティングはまだ模索しているという。
MSに対して痛烈な意見を書くMicrosoft社員のアルファブロガーに自社の新プロダクトの記事を書いてもらうマーケティングもしているようだ。BtoCのマーケティングにおいてはAppleが郡を抜いている感がある。
ベンチャー
ITベンチャーに良く見るビジネスモデルは、SIerで最低限の収益を稼ぎつつ自社サービスをこつこつ開発するというものや既に確立しているサービスの隙間を狙いニッチな市場を狙い車輪の再開発を行うものだ。
プログラマの私はこんなものは全くつまらないと思う。
お小遣い稼ぎしながら片手間でpretty coolな物など作れない。本気でそのサービス・プロダクトの未来を信じ熱く語れるだけのビジョン(ここではお金を意味しない)を持ち魂をかけれるなら、SIerで小遣い稼ぎをして資金集めをするアプローチなど取らない。それは自信が無い事の裏返しでしかない。そのアイデアを信じ明確なプランを持ち何時間でも熱く話せるなら自分達にとって優位となるキャピタルを選ぶ立場に立つだろう。無理ならそのアイデアは捨てるまでだ。もしかすると、時代が早すぎたのかもしれない。
会社としては普通の物を作り出して収めてそこそこの収益をあげていく事が成功なのかもしれないが、一度しか無い人生においてそんなつまらない事に時間を費やすなんて馬鹿げている。絶対的に信じれる物を全力で作りダメだったなら、あきらめ次のものを生み出すまでだ。
世の中が便利になった副作用で大勢の人が数年先の未来を想像する力を無くし、現状に満足している。水平線の先が何があるのか見えない。
最も大事な事は未来を予測することではなく、技術動向を注意深くモニタリングすることだ。
流行に踊らされているだけでは、結果何も作ることができない。
面白いアイデア?
もし、自分のアイデアが「面白いアイデアだね」と周囲の人間が10人中8人以上評価するようなアイデアならそんなアイデアは腐っている。既に誰かがやっているし何ヶ月かかけて出来上がった成果物など最初のサービスを考えた当初の興奮は消え去り、たいして面白くもないものになる。
逆に頭がきれると自分が思う人間にそのアイデアを話して「お前は狂ってる。辞めとけ。」と言われた場合はチャンスかもしれない。Steve Jobsのような人間なら本当に素晴らしいアイデアならボロクソに罵るだろう。しかし彼の頭の中にはその狂ったアイデアがずっと残っているだろう。
「全く、お前は狂ってるぜ!」「お前の頭はイカれてる。」
あなたはそんな最高の賛辞を最近受けただろうか?
歴史は一人とか数人といった"常識に支配されないクレイジーな人間"によって切り開かれる。そして、マジョリティがそれに続き(市場・研究分野・技術)確立される。80年という短い生涯において歴史を変えるタイミングに出会えるのは1回もしくは2回程度だろう。チャンスを逃がしてはいけない。
Albert Einstein, (attributed) US (German-born) physicist (1879 - 1955)
Not everything that counts can be counted,and not everything that can be counted counts.
重要なものが捉えることが出来るすべてものの中にあるとは限らず、重要なものすべてを捉えられるわけでない。
この言葉はAppleのCM中でも現れるアインシュタインの有名な言葉だ。アインシュタインは「わたしには特別な才能はありません。 好奇心がとても強かっただけです」とも語っている。桁外れな好奇心こそフラット化する世界では重要な力だ。好奇心の芽を育てておけば歴史を変える事になるその瞬間を感じることができるだろう。大抵の人はそれに気づかない。
Think Different.
英文法的に間違っているとかJobsにとってはどうでもいいのだ。「だってこっちの方がCoolだろう?」彼のものさしは英文法ではない。言葉の持つカッコよさである。「常識にとらわれるな。常識を超えたところに解がある。目の前に見える解は本当の解ではない。」そんなメッセージをこの言葉に感じる。
Think Differenct (CM)
Here’s to the crazy ones.
The misfits.The rebels.The troublemakers.
The round pegs in the square holes.
The ones who see things differently.
They’re not fond of rules.
And they have no respect for the status quo.
You can praise them, disagree with them, quote them, disbelieve them, glorify or vilify them.
About the only thing you can’t do is ignore them.
Because they change things.
They push the human race forward.
While some see them as the crazy ones,
we see genius.
Because the people who are crazy enough to think
they can change the world, are the ones who do.
「常識を無視した好奇心」・「周囲からは狂ったように見える熱意・興味」
彼/彼女らはいつの時代も少数派だ。だから何だ?「いい人だった」とか「やさしい人だった」とかそんなものは100年後には残らない。10年後でさえ忘れ去られているだろう。
歴史に残るのは偉業である。
織田信長やチンギス・ハン・Steve Jobsがどんなに残忍だったり、冷酷かなんて対して興味をもたれない。モンゴルを統一したこと、Macを作ったこと。iPodを作ったこと。それらが歴史に残り語り継がれる。
このすばらしいCMを作ったAppleとジョン・フォン・ノイマンに感謝したい。