l'essentiel est invisible pour les yeux

Wednesday, November 29, 2006

エノルメと14年ぶりに再会

14年ぶりぐらいにこの電話と再会した。「発想する会社」中に大失敗したがとても楽しかったプロジェクトとして紹介されていたエノルメという電話である。

14年ほど前に父のオフィスでこの電話を見た。
本中の写真を見た瞬間に「あ、あれだ!」と10年以上前の記憶が鮮明によみがえったため、尋ねたところ押入れにあるという。

そんなわけで、エノルメが今朝押入れから出てきた。
写真を見るとコードが無くコードレスのようだが、実際は太くて長いらせん状のコードがついている。手に取ると重いし、留守番電話機能も無いらしい。値段も当時4万円ほどしたとか。しかし、そんなデメリットを抑えても、そのデザインは今見ても綺麗だと思える。(売れるかどうかは別問題)

調べたところ、エノルメはイタリア人デザイナーのエットーレ・ソットサスが作った電話のようだ。


優れたデザインがヨーロッパに集中するのも、ルネサンスの時代から続くデザインの歴史があるからだと聞く。ものつくりをする一人として、優れたデザインは時代を超えて愛されることに少し感動した。でもデザインとは歴史の積み重ねなのだろうな。ヨーロッパがデザインの中心地であるのも、ルネサンスの時代から続くデザインの歴史があるからなのだろう。
この電話は今見ても綺麗だ。

そして押入れから他にもいろいろと面白いプロダクトデザインを持った製品がでてきた。
ものつくりにソウルをこめている人たちの、製品を見ているとクリエイティビティを刺激された。

この時計は、倉俣史郎というデザイナの時計で昔から家に置かれていた。父が気に入っている時計のようだが、今壊れていて、新宿のActusまで持っていかないと修理できないとか。

黒色の2本の短針と長針。
赤色の1本の秒針。

文字盤はない。
正確な時間を知ることは出来ないが、この時計を部屋置く人は正確な時間を知ることを求めていないだろうな。






こちらも時計。
開封して動作させるのは面倒だったため、パッケージのみ。目を離せない展開の連続とパッケージに書かれている。

動作イメージはこんな感じ。

写真









こちらはダイヤル式の電話。飛行機のプロペラの形をしている。
昔家に置かれていた記憶はあるが、実際にこの電話を使った記憶はない。当時(80年代前半?)はNTTが家に置く電話を規制していたというから驚く。

こんな変な電話を置くことは許されていなかったらしく、NTTの電話を置くように強制していたようだ。だから、こそこそと使っていたとか。







こちらは壁掛けカレンダー。
上のパターンはいくつものパターンを重ねあわせて表現されており、日によってパターンを代えることで無限代のパターンを作ることが出来る。結構面白い。

「ニューヨーク近代美術館に展示されています」と英語で書かれている。










こちらも電話機。
Panasonic製であるがデザインが独特。昔父のオフィスにエノルメの電話機とこの電話機が置かれていた。

こちらも、値段が高くほとんど売れなかったらしい。











綺麗なデザインを持ったものが必ずしもヒットすることは無いし、むしろそのこだわりが悪く作用することもある。でも、これらは使っているだけで楽しくなるような製品だと思う。一ものつくりの人間としては、ソウルのあるものつくりをすることに魂を注ぎ込みたいし、それを感じることのできる感性を磨く必要性を凄く感じる。

PS
12月12日のデジタル・テレビの新たなる挑戦にいけることになったので、そのときにSteelecase Life/Work Center in Tokyoを見に行こう。楽しそう。

次の二冊の本が読みたかったので、大学の図書館を調べたがどちらも置いていなかった。
オライリーの本は大量にそろっているのに。上の本とかAPUにあってしかも館内利用限定。