ただいまAM4時前。 前作のイノベーションの達人が面白かったため同じ作者の前作である「発想する会社」を大学の図書館で借りてきて読んだ。
遊び心が溢れる楽しい会社だということが本からも伝わる。一度IDEOのオフィスに行ってみたい。
どちらの本も、何事も自由を尊重する会社がブレインストーミングに関してはきっちりとした取り決めをしていることや、ホットグループといわれるチームワーク・クリエイティビティの発揮できる仕事環境・ユーザエクスペリエンスの徹底した観察・アジャイルなプロトタイプ作成といった盛りだくさんの内容である。
失敗から得る経験
今年はたくさんのプロトタイプ作成を通じて色々な経験をしたが、その中で以前に作った社内用のお弁当注文システムから得たユーザエクスペリエンスは、本の内容とも重ね合わせることが出来る。
少し前、社内では、毎日のランチが悩みの種だった。
近くにおいしい定食屋が少なかったりすぐ近くの弁当屋にみんな飽き飽きしていた。「そんな時に代々木の大勝軒うまいよ!」って話が社内で出て、弁当を注文することになった。そのお弁当は単品注文と4品から好きなメニューを番号で選んで手書きの内容を毎回FAXするという面倒なフローになっていた。
そんなフローを毎日AM11時ごろになると全員に声をかけてメニューを聞いて回る、弁当大臣がうけもっていたのだが、「社内用弁当注文システム欲しいなぁ」という声が出たので、その日のうちに作ることにした。
システムはお弁当のメニューの画像が表示され日替わりなら、4項目選んでクリックするだけで注文ボタンを押すだけで注文が完了する。と、言ってもその内容を弁当大臣(のみ印刷ボタンが表示される)がプリント用ページから印刷して大勝軒にFAXすることで注文が完了する。
このシステムは1週間ほど使われたが、その後結局使われなくなった。原因は二つあると思っていて、
一つ目は、大勝軒のお弁当のボリュームが多くて毎日食べると太るしキツイ。
二つ目の理由が興味深い。
その理由とは、ワンクリックで注文できるシステムがあるのに、お弁当大臣がみんなに聞いて回ったことだ。そして、結局元通りのお昼の出前メニューがあるところにみんなが集まり、しゃべりながら注文を書き込むというスタイルに戻った。
この経験は、「お昼何たべようか?」といった話をすることの楽しみが重要であることを教えてくれた。もし次にお弁当注文システムを設計&実装するならば、注文ではなく(お昼までに)投票のような仕組みにして、エスプレッソマシーンでも置いたみんなが集まるくつろぎ場所に、数人で操作可能なタッチパネル式のモニタを用意する。そこから今日のランチの投票数や地図情報などが見れるといったものにするだろう。
「お昼何食べる?」といったコミュニケーションが楽しいからであって、ユーザはワンクリックで注文できることをたいして求めていなかったのだ。
お菓子箱
京都ドリコムにはお菓子箱があった。
会社の中央の場所に配置された、お菓子箱にはみんなが自分の好きなお菓子を次々と補給していく。「誰々はこのお菓子が好き」といった情報をみんなが知っていたりする。このお菓子箱は、そこにコミュニケーションを生みただのお菓子以上の価値をもっていたと思う。
もしここにIDEO的な発想が加われば、そのお菓子箱で人気のお菓子のランキングや、または社員が書き込む「こんなお菓子あったらなぁ・・・」という内容をブログで公開(ブログ企業なので)しようとなるかもしれない。会社のカルチャーを表現し風通しをよくするとともに、うまくいけばそこからヒット商品のアイデアが生まれるかもしれない。
UIEJのお菓子箱は、まだまだ改善の余地がある。
会社の隅っこ(しかもトイレの隣)に置かれてしまっていてお菓子があまり減らない気がする。自分がキットカットばっかり食べているのはバレていたが、他の人が何のお菓子が好きかは知らない。
オープン・オフィス
自分の周りの環境を楽しくする。これって大事だよな。
自分のデスクやイスといった部分には改善の余地がいくらでもある。思いついたアイデアを紙に書き留めるが、その紙がバラバラになってしまいなくなるといったことがよくある。じゃあ、壁にホワイトボードフィルムを貼ろう。本は山積みになっている。カッコよく並べれないだろうか?といったことや、スワイプボードを壁に貼り付けてもよさそうだ。遊び心をくすぐるような環境を作って試すのに一番良い場所がやっぱり(長時間の時間を過ごすことになる)仕事場だろうな。
UIEJはオフィスの舞台装置設計はまだまだ改善の余地がたくさんある。
コミュニケーションが活発に行える場所はないし、席はホットグループごとに集まっているわけでもない。定期購読雑誌が一目でわかるマガジンラックのようなものもない。これからだ。
観察力
IDEOの本で一番感動したのが観察力であり、なぜ?なんで?といった経験を必ずより良いユーザエクスペリエンスとして提供できないか?と考えるところである。それが医療でありMacのマウスであり、セレブ向けの自家用ジェットの機内リモコンであり。
写真は、机の上につまれた本。LRUって感じで本棚と机の上を行き来する。
本の中の「あとでつかうてきなコメント」にはポストイットをはってるのだが、そういったデータもバーコードで管理できて(本に貼り付けるとか)、PCから本棚の検索もできるとかもっと楽しくできるだろうな。
積まれている本は、上から
- 発想する会社
- BinaryHacks
- UNIQLO PAPER
- Cell Broadband Engineのアーキテクチャに関する技術仕様書
- Linkers&Loaders
- イノベーションの達人
最近、雑誌は立ち読みが多い。